インフォシス日本オフィスは1997年東京に、2012年名古屋にオフィスを開設いたしました。当社のミッションは日本のグローバルリーディング企業の
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最高のCSOとは?

 ボストン空港でアトランタへ帰る飛行機を待ちながら、日課であるコーポレート・サステナビリティ界のニュースのチェックをしている時に、アメリカの様々なCSOの背景に焦点を当てた興味深いレポートを読んだ。
CSO Back Story - How Chief Sustainability Officers Reached the C-Suite by the Weinreb Groupと題するそのレポートではアメリカの29人のCSOのプロフィールを紹介。その内25人が社内からの起用であった。25人の内訳を見てみると、8人がCSOに着任する前に渉外またはマーケティングを担当。6人は既に環境またはサステナビリティを担当していた。

 事業運営部門での経歴を持つCSO5人。研究部門は4人、そして法務と財務からそれぞれ1人となっていた。CSOを置かない会社を見ると、サステナビリティは施設かコンプライアンスを担当する部署が担っている。

 これらのエグゼクティブの背景を紹介する記事によって、一般的にどのような人物がCSOに就任するのかに多少なりとも光が当てられたのだが、そこで頭に浮かんだのは、どんな人がCSOになるべきか?ともし自分が訊かれたら何と言うだろうか?
 
うーん...MBA課程の「組織と行動」のクラスに戻った気分だ。特定の役職はなぜ設置されるのだろう?どのような要素を考慮して適任者を選ぶのだろうか?戦略的な考え方と多彩なスキルが頭に浮かぶ。会社がこのプロセスを正しく行うとしたら戦略的な考え方をより重視する。今から5年先、10年先、または30年先に会社はどうあるべきかを最初に決め、その後にその情報に基づいて重役の設置を進め、職責を与え、適当な目標を選ぶ。

 しかし、このような作業を不得意とする会社は、社内で誰がその役職に一番近い所にいるかの視点から始め、そして該当者に職責を追加する。後者のやり方は「クイック・ウィン」を狙う場合など短期的には前者よりも優れた方法である場合があり、変更管理の量も少なく済む事があるが、長期の戦略として確実な方法を約束するものではない。

本題に戻ろう:どんな人がCSOになるべきか?

 自分が答えるとしたら、いずれにしてもサステナビリティは短期的な目標の話ではないと言うだろう。それを踏まえた上で適任者を選ぶとしたら、会社がサステナビリティを追求する際に直面する最大の課題を解決できる人物となる。しかし、それは会社によって異なる。主な重役のいくつかを見ながら、サステナビリティに関する目標を担うべき人を探ってみたい。

 CEO 最高経営責任者:サステナビリティは他から独立した単独のものとして見ることはできないという考えは正しく、会社全体が持続可能なやり方で進まなければならない。しかし、サステナビリティには組織改革が伴う。ある天気の良い日に一日で出来るようなことではない。エレン・ワインレブが自らのブログOwning Sustainability: The CSO vs. the CEOで指摘したように、ムーター・ケント氏はコカコーラのサステナビリティを自らの個人的なアジェンダとしたが、直ぐにそのミスを正してベアトリズ・ペレス氏を同社最初のCSOに任命している。いつかはCEOがサステナビリティの責任者となるべきであると思うが、それは何十年も先のことである。それまでの間は、CEO直属の人物を任命すべきだろう。

 COO 最高執行責任者/事業運営部門長:CEOと違い、COOは日々の事業運営によりフォーカスしているはずなので、サステナビリティの役職には魅力的な候補者である。長期的に会社にとって何がベストなのかに関する知識と経験を豊富に持っており、結果的にそれらは会社をより持続可能にする方法につながる。大半の場合は、長年ビジネスに携わっていたことから自分のやり方に固執してしまい厳しい変化になるかもしれず、他の組織改革同様になかなか受け入れることができないかもしれない。しかし、この方法がうまく行くのはCOOが一人しかいない場合だけである。会社によってはCOOが複数存在する場合があり、その一部または全員に直ちにサステナビリティを担当させるのは賢明な策ではない。

 CCO 最高コンプライアンス責任者/CLO 最高法務責任者/法的/環境的、安全衛生:前述の通り、これはかなり戦術的な策となる。会社がコンプライアンスの観点からしかサステナビリティを見ていないのであれば分かる。しかし、コンプライアンスの観点からしか見ない戦略は疑問に思う。これは、法令順守を必要最低限で達成しそれ以外は微塵たりとも掛けないという受け身のスタンスである。

 CHR 最高人事責任者/CAO 最高総務責任者/コーポレート・サービス/不動産および施設:これらの役職は既にサステナビリティの一部を担当していることからサステナビリティ全体を担当することが可能。サステナビリティには、従業員の社会力学を理解することや長期的な成功に従業員を巻き込むことなどが含まれ、それらは人事部長の得意分野である。総務の役職に就いている人は、エネルギー/紙/燃料の消費など、会社のカーボン排出の大部分を占める事柄を担当する。しかし、いずれの場合も、ここに挙げた責任者はそれぞれが担当する範囲が限定的なためサステナビリティを短絡的に見てしまう傾向がある。

 CIO 最高情報責任者:これは面白い選択かもしれない!IT化がかなり進んでいる会社では、短期の戦術的判断としてありえるかもしれない。確かに、社会や環境に対する会社の影響を知るために有意義な方法で良いデータにアクセスすることや、外部の世界と監査証明報告書を共有する術など、サステナビリティに関連したいくつかの戦略上の課題を解決する。私がこの策を好まない理由はCIOがビジネスをデータとシステムの観点(中ら外への視点)から見てしまいそれ以外が見えない、いわゆる目隠しをしたような状態になってしまう懸念があるためである。ビジネスをデータとシステムの観点で見ることで必ずしも最善の策が生まれるわけではない。サステナビリティには、ビジネスの基本的なやり方を再考することが必要になるかもしれないが、必ずしもITソリューションを必要とするわけではない。

 CMO 最高マーケティング責任者:ブランドや評判は多くのB2C企業にとってサステナビリティに取り組む重要な要因である。マッキンゼーが2011年に実施した調査によるとサステナビリティに取り組む要因の中で3番目に大きいのが企業評判であった。1年前の同じ調査では一番大きな要因であった。先日、SunTrust銀行地域交流担当上級副社長ブレント・ヤマアト氏と対談した際に、企業の社会的責任を軸に最高のブランド・イメージを作り上げて不景気を脱したいと語っていた。私がこの考えを好む点は、サステナビリティの分野はまだ新しく、ビジネス・ケースを実行するための確かな指標が数多く欠落しているためである。会社の活動が社会全体を含めすべてのステークホルダーにどのような影響があるかを知るにはマーケティングの手法を応用することが最適であり、サステナビリティの取り組みを実行する上でも非常に有用である。この策を良いと思えない点は最高人事責任者の時の理由と似ていて、この策だと「社会や環境にとって正しい事とは何か?」よりも「会社のブランド・イメージを改善する事は何か?」を重視してしまうかもしれず、必ずしも一貫するとは限らないからである。

 CFO 最高財務責任者:私が好きなのはこれだ。分かってる、分かってる、これはまるでミスター・グリンチを代理のサンタクロースに指名するようなものだ(CFOの友に悪気があるわけではない)。ただ、聞いてほしい。CFOは既にサステナビリティの仕事をしている。経済的サステナビリティではあるが。次に、CFOは測定、監査、統制のスペシャリストである。それは今日のサステナビリティの大きな問題を解決してくれる。3つ目の理由は、既にすべての投資に関する門番を務めているからである。財務分析をツールとして使い最善の選択肢を選んでいる。あとは、「価値」とする範囲をフリー・キャッシュ・フローだけでなく環境や社会に関する価値に拡げてもらうだけだ。最後の理由は、個人的な意見だが、CFOは最も頑なな人間であるからである。CFOの信用を得れば、会社が真の持続可能な会社になることを止めるものはない。

ここまでの話は、CSOという役職は以前は存在しておらず、本当の持続可能な会社は経営判断を下す際に財務と同じように環境や社会も見るべきである、ということを前提とする。だが、その話はまたの機会にしたい。今回挙げた一つひとつの点の長所と短所をすべて考え出せたかどうかは分からない。読者が思う、誰が最高のCSOになれるのか?を聞いてみたい。

 

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